相続人がいない人の遺言(遺言文例 59)

遺言書

第1条 遺言者は、遺言者の有する預貯金その他一切の財産を下記の者に包括して遺贈する。
     記
 本 籍 福岡市中央区1丁目1番地
 住 所 福岡市中央区1丁目1番15号
 受遺者 山下 美恵(平成元年8月8日生)

第2条 受遺者は、遺贈を受ける負担として、遺言者が居住していたアパートの賃貸借契約の解除、アパート内の遺言者の動産の処分等を含む遺言者の死亡後の手続一切を行うものとする。

第3条 遺言者は、祖先の祭祀を主宰すべきものとして、前記山下美恵を指定する。主宰者は納骨まで行うものとする。

第4条 遺言者は、この遺言の遺言執行者として、次の者を指定する。
 福岡県久留米市中央町38番地23
 行政書士  宮崎 信幸(昭和33年3月3日生)
 2 遺言執行者に対する報酬は、金50万円とする。執行報酬については、遺言者の有する預貯金から優先的に支出するものとする。

付言 山下美恵さんにお願いしておきます。葬儀は質素で構いません。また、遺骨は私の父母が眠っている長崎県雲仙市瑞穂町西原のお墓に納めてください。その近所には父の実家があるはずです。私には法定相続人がいないので、あなたと遺言執行者の宮崎先生だけが頼りです。お二人にはご面倒をおかけしますが、よろしくお願いします。

平成27年5月6日

住所 福岡県久留米市中央町38番地23
遺言者  宮崎 信幸 


※補足説明 関連遺言 関連遺言

 法定相続人がいない場合に使う文例です。特定の人に遺贈するのか、寄付するのかなど遺言者の考え方によって遺言の内容は違ってきます。どのような内容にすれば、残った財産を有効活用してもらえるのか、前もって検討すべきです。よって、事前に行政書士などの専門家と相談されることをお勧めします。また、遺言執行者の指定が必要となります。

 上の遺言書は、自筆証書遺言の見本です。全てを自分でペンを使って書き、必ず日付を入れてください。印鑑は認印でも構いませんが、実印が良いでしょう。作成後、封筒に入れて封印をし、妻に預けておくと良いでしょう。
 当然、公正証書の原案(下書き)としても利用できます。公正証書遺言が、より安全で安心です。