老人ホームに寄付する遺言(遺言文例 71)

遺言書

第1条 遺言者は、遺言者の有する預貯金その他一切の財産を、現在遺言者が入所している下記の養護老人ホームに包括して遺贈する。
     記
 住所 長崎県雲仙市瑞穂町西郷甲1番地
 名称 養護老人ホーム みずほの里

第2条 遺言者は、この遺言の遺言執行者として、相続開始時の前条記載のみずほの里の代表者を指定する。

付言 私は、満80歳になってから、こちらの老人ホームのお世話になっています。職員の方々はみなさん親切です。また、毎日の食事もおいしいです。お正月やお盆、クリスマスの際には、いろいろな行事もあり、楽しく暮らしています。私には、子供はいません。夫も10年以上前、亡くなりました。兄弟姉妹で私が一番長生きしてしまいました。甥や姪はいますが、遊びに来ることなどめったにありません。そこで、私が亡なくなった後、多少なりとも預貯金が残ったら、こちらの施設に寄付させて頂くことにしました。入所されている他の人のために使ってください。また、私の葬儀は施設で簡単にお願いできればと思います。そして、私の遺骨は瑞穂町西原にある鈴木家の墓に納めて頂ければありがたいです。鈴木家の人にはその旨、頼んでいます。その後の供養は必要ありません。最後までご面倒をお掛けしますが、みずほの里の職員のみなさん、よろしくお願いします。これまでよくしてくれて、ありがとうございました。

平成27年5月7日

住所 長崎県雲仙市瑞穂町西郷甲1番地
遺言者  佐藤 和子 


※補足説明 関連遺言 関連遺言 関連遺言 関連遺言 関連遺言

 入所している老人ホーム等に寄付したい場合に使う遺言です。死後の寄付は法律上、「遺贈する」と記載します。遺言執行とは別に、死後委任事務を依頼しておく必要があります。セットで行政書士などの専門家に依頼したが安心です。

 上の遺言書は、自筆証書遺言の見本です。全てを自分でペンを使って書き、必ず日付を入れてください。印鑑は認印でも構いませんが、実印が良いでしょう。作成後、封筒に入れて封印をし、妻に預けておくと良いでしょう。
 当然、公正証書の原案(下書き)としても利用できます。公正証書遺言が、より安全で安心です。