在外邦人の遺言(遺言文例 75)

遺言書

第1条 遺言者は、遺言者の有する預金その他一切の財産を、遺言者の弟田中直人(昭和39年3月8日生)に相続させる。

第2条 遺言者は、祖先の祭祀を主宰すべき者として、前条記載の田中直人を指定する。

第3条 遺言者は、この遺言の遺言執行者として、第1条記載の田中直人を指定する。

付言 私は海外勤務が多く、これまで独身で来ました。恐らく独身のままで死んで行くのだろうと予想しています。そこで、死んだ後のことは、弟に頼んでおくことにしました。財産は、わずかな預金と会社持株会の株式だけです。今の仕事は、カリフォルニア州のトンネル工事現場なので、万が一のことを考え、作成しておきます。

平成27年5月7日

アメリカ合衆国カリフォルニア州ミッキーサンタヴィレッジオーマイドロード555
(日本における最後の住所) 福岡県久留米市中央町1番地1

遺言者  田中 太郎 


※補足説明

 在外邦人(外国に住んでいる日本人)が外国でする遺言です。自筆証書遺言であれば、場所の制約はありませんが、公正証書遺言を外国でする場合は、領事館でできます。必要書類の準備等については、領事館に直接お尋ねください。

 上の遺言書は、自筆証書遺言の見本です。全てを自分でペンを使って書き、必ず日付を入れてください。印鑑は認印でも構いませんが、実印が良いでしょう。作成後、封筒に入れて封印をし、妻に預けておくと良いでしょう。
 当然、公正証書の原案(下書き)としても利用できます。公正証書遺言が、より安全で安心です。