子供がいる再婚者の遺言(遺言文例 58)

遺言書

第1条 遺言者は、遺言者の有する預貯金その他一切の財産をそれぞれ2分の1の割合にて、長女中村真央(昭和45年5月5日生)と次女宮崎静香(昭和49年6月6日生)にそれぞれに相続させる。

第2条 遺言者は、祖先の祭祀を主宰すべき者として、夫田中一郎(昭和23年9月3日生)を指定する。

第3条 遺言者は、この遺言の遺言執行者として、次の者を指定する。
 福岡県久留米市中央町38番地23
 行政書士  宮崎 信幸(昭和33年3月3日生)
 2 遺言執行者に対する報酬は、金50万円とする。執行報酬については、遺言者の有する預貯金から優先的に支出するものとする。

付言 私は、夫である一郎さんとお互いに再婚で結婚しました。それぞれの子供達は既に独立していたのでお互いの子供達との関係で苦労することはあまりなかったと思います。しかし、相続のこととなると話が違って来ます。私の財産のほとんどは再婚する前に蓄えたものです。一郎さんの財産も同じだと思っています。そこで、私の財産は私の子供に相続させ、一郎さんの財産はあなたの子供に相続させる方が自然ではないかと考えました。もし私が先に逝った際は、葬式等をお願いしておきます。一郎さんが先の場合は、私が責任を持ってしますのでご安心ください。それでは、次の世でまた会いましょうね。娘達二人は、それぞれの家族を大切にして、できれば再婚などしなくてよいようにしてください。

平成27年5月6日

住所 福岡県久留米市中央町1番地1
遺言者  田中 えり 


※補足説明

 再婚同士の場合に使う遺言です。子供がいるかどうか、養子縁組をするかどうかで相続関係が異なります。できれば専門家を交えて、将来相続争いにならないように相談し、遺言を作成しておくことが大切です。

 上の遺言書は、自筆証書遺言の見本です。全てを自分でペンを使って書き、必ず日付を入れてください。印鑑は認印でも構いませんが、実印が良いでしょう。作成後、封筒に入れて封印をし、妻に預けておくと良いでしょう。
 当然、公正証書の原案(下書き)としても利用できます。公正証書遺言が、より安全で安心です。